2026年5月号「畑に有機物を入れると良いって聞きますが、なぜですか?」

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Q.畑に有機物を入れると良いって聞きますが、なぜですか?

A.堆肥や腐葉土を畑に入れると、微生物が落ち葉や動物の糞尿などを分解してくれて、野菜がそれを栄養として育ちます。

落ち葉や糞尿などはアンモニア態窒素に分解された後、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素へと微生物の分解作用で変化して行きます。つまり、有機物が肥料になるわけです。

窒素は、アンモニア態でも吸収されますが、分解が進んだ硝酸態のほうが速く吸収されます。家庭菜園向けの肥料は、アンモニア態と硝酸態の窒素を混合してあり、野菜の生育に合わせた成分量に調整してあります。

もうひとつ効用があります。堆肥などの有機物をエサにする微生物は土の中で粘液を出します。この粘液が土の粒と粒をつないでくれます。

団粒と言われる、水持ちがよくて排水もする、通気もよい土壌を作ってくれるわけです。微生物がたくさんいる土は団粒だらけの構造になります。

微生物がたくさんいる土壌は化学的にも物理的も植物が育つのに快適な環境です。エサとなる有機物を畑に入れて、微生物の楽園にしましょう。すると、野菜の楽園にもなりますよ。

五月は家庭菜園に最適な時季です。高村光太郎の詩に「五月の土壌」という一編があります。抜粋一部改変して紹介します。

五月の日輪はゆたかにかがやき、五月の雨はみどりに降りそそいで、野にまんまんたる気魄はこもる。

肉体のやうな土壌は、あたたかに、ふくよかに、まろく、うづたかく、ひろびろと無限の重量を泡だたせて、盛り上り、もり上り、遠く地平に波をうねらす。

あらゆる種子を包み育み、虫けらを呼びさまし、悪きもの善きものの差別をたち、天然の律にしたがって、地中の本能にいきづき、生くるものの為には滋味と塒(ねぐら)とを与へる。

ああ、五月の土壌よ。土壌は汚れたものを恐れず、土壌はあらゆるものを浄め、土壌は刹那の力をつくして進展する。