Q.ミカンは、冬に剪定してはいけないと聞きました。なぜですか?
A.葉に養分を蓄えているからです。
落葉する果樹は、根や幹などに養分を貯蔵しています。一方、ミカンなどかんきつ類は冬の間も葉を茂らせ、寒さに耐えています。
カキなどの落葉する高木の果樹は、枝や幹、根に養分を貯蔵します。冬には休眠しますが、貯蔵養分が多いほど寒さに強い体質になっていて、春の芽吹きを待ちます。
ミカンなどのかんきつ類は落葉しません。一年を通して葉をつけています。その葉に養分を貯めておいて冬を越します。
そのため、剪定して葉を落としてしまうと木が弱ってしまいます。翌春の芽吹きが弱かったり、花が振るったりして十分な実りが期待できなくなります。秋から冬にかけての剪定は厳禁です。
寒さのピークが過ぎ日差しに暖かさを感じるころ、2月下旬から3月、新芽が動き出す前が剪定の時期になります。4月に入ると、実になる花芽が出始めます。それまでに剪定を終えましょう。
なお、ブドウなどのつる性の落葉果樹は根に養分を貯蔵します。根に蓄えられた養分を使って新しい枝やつるを伸ばします。
ブドウの剪定は葉がすべて落ちた後、12月から2月の休眠している間に剪定します。
カキも同じく落葉してからの休眠期、12月から3月に不要な枝を落とすなど陽当たりを良くするよう強めの剪定で枝を整理します。5月から6月、夏にも軽く剪定して実つきを良くします。花の着かない上に伸びた徒長枝を切ったり、要らない芽を欠きます。
冬を越えるための養分は、秋までに蓄えられます。実りに感謝するお礼に肥料を与えます。
ミカンは、収穫直後から11月上旬、収穫前の施肥でもかまいません。
カキは収穫後10月ごろ、ブドウも収穫後10月ごろに、お礼肥を与えます。
いずれも、一株当たり化成肥料200~300gを目安にお礼してください。





