2025年5月号「イモ類は石灰を入れないほうがいいと聞きました。本当ですか?」

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Q.最近、イモ類は石灰を入れないほうがいいと聞きました。本当ですか?

A.ほとんどの野菜はpH5.5~6.5が最適な値です。

畑はほっとくと雨水で酸性に傾きます。化学肥料の影響でも酸性になりがちです。だから、石灰を入れてアルカリのほうへ補正するわけですが、野菜によっては酸性の方が適していることがあります。

サツマイモは、pH5.5~6.0でよく育ちます。
ジャガイモは、pH5.0~6.5の土が好きな野菜です。

当JAの産直生産者の皆さんの土を分析しますと、pH6.2~7.0の範囲に収まっています。熱心に石灰を入れていることがうかがえます。

キャベツ、トマト、ホウレンソウなど、ほとんどの野菜はよく育つでしょうが、サツマイモ、ジャガイモなどには向きません。石灰は要りません。
果樹では、ブルーベリーが代表で、ミカンやモモなどが酸性を好みます。

さて、5月になると、JAの店舗にもサツマイモの苗が並びます。
4mの畝だと40㎝間隔で植えると苗が10本必要です。
水はけのよい乾く畑が向いています。普通に野菜を栽培していたなら肥料は不要です。うねを高めにして雨水がたまらないようにデコボコをならして均平に仕上げてください。

植え方は斜め植えが簡単です。棒を斜めに挿して植穴をあけて、3節くらいの深さに挿します。

うねにマルチを張ると、地温が上がって生育が進み、早掘りできます。黒マルチは雑草を防げます。

参照:全国農業改良普及支援協会

暑くなってくると、つるが伸びて葉が茂ってきます。伸びたつるには根が生えます。これをほっとくと、イモができません。

8月に入って、うねをはみ出してきたら、つるを持って引きはがします。はがしたつるをひっくり返して、うねに乗せます。つる返しと言いますが、隣のうねに届く前につる返しをしてください。

4カ月くらいで掘れるようになります。マルチを張ってあると早まります。試し掘りしましょう。霜の降りる前にはすべて収穫します。
貯蔵するものは、小分けせず株のまま洗わず、新聞紙に包んで保存します。暖かい13℃前後の室内が理想です。

海外でも流行っていて、焼き芋ブームが続いてます。サツマイモは、甘いケーキなどと違って、栄養価のある野菜です。たくさん食べてもOK、罪悪感のないスイーツを楽しんでください。