2026年7月号「この暑さで、植物は何度まで耐えられますか?」

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Q.この暑さで、植物は何度まで耐えられますか?

A.暑さに強いと言われる夏の果菜(ナス、ピーマン、キュウリ、トマトなど)でも、40℃が限界で35℃を超えると、花が落ちる、実が焼けるなどの高温障害が発生します。生きているだけで、実をつける体力はなくなります。

当然ですが、秋冬に栽培するキャベツ、レタス、ホウレン草などの葉物やダイコンなどの根菜類は20℃くらいまでが適温で、30℃を超えると一気に生育不良になります。

自然界には野菜より丈夫な植物があります。砂漠に生えるサボテンなどは、体内に水を貯めて、その水分が逃げないよう気孔を閉じて耐えます。

地球上でもっとも高い耐熱性を持つ植物は、北米の砂漠に自生する「アリゾナハニースウィート」と言われています。

50℃を超える酷暑でも枯れることなく生長します。その驚異的な生育メカニズムは、地球温暖化が進むなか、高温耐性の高い農作物の開発に研究素材として注目されています。

カリフォルニアのデスバレーは地表温度が70℃を超えることもあります。その環境でアリゾナハニースウィートは枯れるどころか、順調に生育します。アメリカミシガン州立大学の研究チームによると、この植物の光合成の最適温度は45℃でした。夏野菜の限界が40℃なのに、驚くべき発見です。

どうやって高温でも光合成するのか、秘密は葉緑体の形にあります。普通は、葉緑体は円盤の形をしています。アリゾナハニースウィートでは、高温時にカップの形に変形します。カップ状になることで、葉緑体は太陽光の吸収を調節し、内部の光合成システムを過熱から守ります。

さらに、高温が続いて厳しい環境にさらされると、光合成システム全体が再構築されます。ミトコンドリアがエネルギー供給を強化し、耐熱遺伝子が活性化し、酵素が生産されます。タンパク質の損傷が防がれ、光合成も持続するように、細胞全体が連携して生き延びモードにスイッチが入るわけです。

この仕組みを、米を始め農作物に組み込めれば、どんな暑い夏でもヘッチャラになるかもしれません。

出典:ZMEサイエンス