2025年8月号「収穫を終えた野菜を畑に埋め戻してもよいですか?」

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Q.収穫を終えた野菜を畑に埋め戻してもよいですか?

A.残酒(ざんさ=残りくず)を畑に埋め戻せば分解されて、やがて野菜の栄養分になります。しかし、そのまま畝(うね)に埋めるのは、おすすめではありません。

病気にかかった野菜の残酒は畑に残さずに、焼却処分するのが正解です。

病気にかかっていない残酒は、畑の片隅に積んでおいて、元の形が分からなくなるまで分解してから土に戻すとよいでしょう。土壌微生物による分解が一段落するまで夏場で1カ月弱、冬場で2カ月強、待つ必要があります。

残酒は、堆肥にしてから畑に施すのがベストです。乾燥した生ごみを加えても構いませんが、落ち葉や刈草が適しています。米ぬかを振りかけて水を撒きます。手のひらがしっとりするくらいの水分が目安です。木枠で囲って、雨水が入らないようにシートなどで蓋をします。少量なら、ポリバケツでも堆肥は作れます。底に穴をあけて、水が切れるようにしてください。コンポスト容器があると便利です。

微生物の活動が活発になると、熱くなって60℃ほどになります。熱が行き渡れば、雑草の種や病原菌が死滅します。コツは、切り返しです。最初の1カ月は週1回、その後は1カ月に1回ほど、全体を均一に混ぜ込んで発酵させます。温度が下がって、水分が抜けてからパラパラした感じになれば完成です。

さて、夏の野菜といえば、キュウリやナスですが、お盆にお供えする野菜でもあります。足に見立てた割りばしや爪楊枝を刺して、キュウリ馬とナス牛をお供えします。

精霊(しょうりょう)馬、精霊牛と呼ばれますが、ご先祖の霊に「馬に乗って早く来てください」「帰りはゆっくりと牛に乗ってお戻りください」という願いからだと言われています。このとき使うキュウリやナスは、まっすぐな物より曲がっていたほうが馬や牛らしく見えます。畑に出て、曲がったキュウリとナスを収穫しましょう。