2026年6月号「暑さに負けない野菜、ありませんか?」

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Q.暑さに負けない野菜、ありませんか?

A.酷暑には参りますね。熱帯生まれの野菜を、おすすめします。

インド東部からインドシナ半島などの熱帯に自生するタロイモを起源とするサトイモや、東北アフリカ原産のオクラ、インドの熱帯樹林帯を原産地とするナス。他にも、葉菜なら熱帯アジアの水辺で育つエンサイ(空心菜)、インド西部からアフリカ原産のモロヘイヤなども、現在の日本の暑さに負けないでしょう。

カボチャの原産地は、中央アメリカから南アメリカ高原地帯。現在では西洋カボチャが一般的ですが、16世紀ごろに東南アジアから伝来したとされる、日本カボチャの仲間の方が暑さに強い性質を持ちます。

トマトの原産地は南米アンデス、標高2,000~3,000mの山岳地帯です。赤道直下とはいえ、高地なのでほどよく冷涼です。強い光にさらされ、ほとんど雨が降らない、カラッとした明るい気候の土地です。

もともとは高山植物ともいえるトマトの生育適温は、15~25度。つまり、蒸し暑い日本の夏は、実は不得手です。ただし、常に強い光が注ぐ高地で生き抜いてきたトマトは、ある程度大きくなると自分で茎葉をたくさん茂らせて直射日光を和らげることができます。また、旺盛に茂る葉の表面から水分を蒸散させ、周囲を気化熱で冷やすという能力を身に付けています。

ところで、ご存じの通り植物は光を利用して光合成をしています。光が強くなればなるほど、ある程度まで光合成の量が増えますが、一定以上は光を強くしても光合成の量が増えなくなります。これを「光飽和点」といいます。

トマトの光飽和点は、真夏の太陽光と同じぐらいの7万ルクス。トマトは強い光を欲しがるので、曇天が続いて光合成量が低下すると、葉がぐったりと垂れ下がるなど、明らかに顔色が悪くなります。

一方、トマトと同じナス科でも、ナスの光飽和点は4万ルクスと低め。少し曇天が続いても意外に平然とした顔をしています。

なぜなら、ナスの原産地はインドの熱帯樹林だからです。木漏れ日が差し込む湿度の高い土地で育ってきたため、トマトに比べてそれほど強い光を必要としない反面、水が大好きです。水が切れると、途端に弱ってしまいます。

ウリ科のスイカの原産地は、南アフリカのカラハリ砂漠。4000年前、古代エジプトではすでに栽培されていたといわれ、日本にはシルクロードを通って伝来したとされます。そんなスイカの光飽和点は、8万ルクス。とても強い光を好む作物です。

同じウリ科の中でもキュウリの原産地は、ヒマラヤ山麓。山水が豊かでほどよく冷涼な土地で育ってきたため、猛暑は苦手です。そんなキュウリの光飽和点は、5万ルクス。

同じ科の野菜でも原産地の環境の違いによって、それぞれ光飽和点も性質も大きく違うのですね。